連載 在宅ケア もっとやさしく、もっと自由に!・115
穏やかな最期の姿が語るもの
秋山 正子
1,2,3
1株式会社ケアーズ 白十字訪問看護ステーション・白十字ヘルパーステーション
2暮らしの保健室
3マギーズ東京
pp.288-289
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688201166
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大阪駅の雑踏の中で、人混みを避けながらNさんに電話をかけました。95歳のお母さんを病院から引きとり、ターミナル覚悟で介護をしている方です。1週間前にメールでやりとりしたときに、穏やかながらもかなり状態が落ちてきていることを察したので、「ちょうど近所まで来ているからご挨拶だけでも」と言うつもりで電話をしました。
すると、「実は一昨日亡くなって、今お葬式を済ませて家に帰ってきたところです。なんとタイミングがいいことでしょう」とNさん。電話口のNさんの声には、疲れのなかにも、何か大きな仕事をし終わった安堵感に満ちあふれた響きがあります。お邪魔することは辞し、お悔やみの電話にとどめました。
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