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The New England Journal of Medicine
Editorial:
Schwamm LH. Progesterone for traumatic brain injury—resisting the sirens' song. N Engl J Med 2014;371:2522-3.
Articles:
・Skolnick BE, Maas AI, Narayan RK, et al. A clinical trial of progesterone for severe traumatic brain injury. N Engl J Med 2014;371:2467-76.
・Wright DW, Yeatts SD, Silbergleit R, et al. Very early administration of progesterone for acute traumatic brain injury. N Engl J Med 2014;371:2457-66.
■動物実験とヒトにおけるphase 2試験は脳外傷におけるプロゲステロン治療の有効性を示唆
交通事故などによる脳外傷は重大な死因の一つであるとともに,永続的な脳機能障害の原因ともなっている。一次的な脳損傷に続いて起こる,さまざまな生化学的代謝性変化や炎症反応が,脳損傷を悪化させ,細胞死を起こすと考えられている。プロゲステロンは,さまざまな動物種における22種類のモデルにおいて,脳保護的に作用すると報告されている。プロゲステロンは,炎症性サイトカイン産生を抑制し,炎症反応を軽減し,カルシウムの細胞内流入などによる興奮性毒性を防いだり,アポトーシスを減少させたり,血管性浮腫を軽減するなどの多様な作用をもつとされている。また,米国における Progesterone for Traumatic Brain Injury, Experimental Clinical Treatment(PROTECT)試験および中国で実施された無作為化研究において,頭部外傷患者へのプロゲステロンの早期投与は,早期死亡率を低下させ,脳の機能的改善をやや改善させることを示している。
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