徹底分析シリーズ PCA再考
PCAの基礎―安全で有効なPCAにするために適応・副作用の理解はきっちりと
杉山 大介
1
,
川真田 樹人
1
SUGIYAMA, Daisuke
1
,
KAWAMATA, Mikito
1
1信州大学医学部 麻酔蘇生学講座
pp.774-777
発行日 2011年8月1日
Published Date 2011/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101307
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自己調節鎮痛patient-controlled analgesia(PCA)は,患者が痛みを感じたときに,患者自身の判断で,静脈内や硬膜外に留置したカテーテルを通して自ら鎮痛薬を投与し,鎮痛を得る方法である(図1)1)。PCAは,すみやかに鎮痛効果が得られ,注射による新たな痛みを起こさず,副作用が少なく安全である(表1)。
現在,PCAは標準的な鎮痛法として,術後鎮痛や緩和医療,あるいは無痛分娩などの分野で広く用いられている。しかし,PCAは疼痛管理を患者に一任する方法でもある。したがって,なぜPCAは安全といえるのか,どうやって有効な鎮痛効果を得られるのかなど,PCAの基礎について麻酔科医は精通しておく必要がある。
本稿では,PCAの歴史,原理,具体的な投与方法について概説し,その有用性と安全性を考察する。
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