徹底分析シリーズ 研修医の素朴な疑問に答えます 周術期管理
巻頭言
角倉 弘行
1
1順天堂大学医学部 麻酔科学・ペインクリニック講座
pp.1029
発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200031
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素朴な疑問シリーズも4回目である。タイトルをざっと眺めると,素朴な疑問というよりも「えっ!そうだったんですか?」という疑問もあるかもしれない。最近の医療を取り巻く環境は,効率化を至上主義とした標準化が進んでおり,周術期管理においても,われわれ麻酔科医が素朴な疑問を抱く余地は少なくなっている。しかし疑問をもつことを放棄し,術式ごとに定められた標準的な麻酔法を盲目的に選択し実行しているかぎりは,重症患者に遭遇したときに適切な対応をする能力が磨かれないばかりでなく,麻酔科医の仕事に対する誇り(プロフェッショナリズム)を醸成し維持することもできないだろう。研修医の読者には,この特集を読んで納得する回答が得られたとしても得られなかったとしても,同じ質問を自分の指導医にぶつけてみて欲しい。また,指導する立場にある読者も,明日,同じ質問が研修医から投げかけられたとき,自分ならどのように答えるかを考えながら読んでいただきたい。研修医からのドキッとするような質問は,研修医だけでなく指導医も成長させるのである。
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