徹底分析シリーズ 低侵襲化する呼吸器手術とその周術期管理
巻頭言
石川 晴士
1
1東京医科歯科大学医学部附属病院 麻酔・蘇生・ペインクリニック科
pp.421
発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101102116
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- 文献概要
呼吸器手術とその周術期管理について企画を立案するにあたり,真っ先に思い浮かんだキーワードが「低侵襲化」である。多くの肺切除術が胸腔鏡下に行われるのはもちろんのこと,現時点では一部の施設にとどまっているものの,呼吸器手術にロボット手術が導入されつつある。こういった手術の進化に伴い,周術期管理はどのような変化を遂げてきたのだろうか。
現代の胸腔鏡あるいはロボットを用いる低侵襲な手術と,かつては当たり前に行われていた肋骨切除を伴う後側方開胸での手術における周術期管理を改めて比較してみると,素朴な疑問が次から次へと生まれてくる。例えば,麻酔および人工呼吸管理は両者とも同じでいいのか,鏡視下の視野を改善するためにできることはあるのか,低侵襲手術に積極的に硬膜外麻酔を行う必要はあるのか,低侵襲手術では術後合併症は減るのか。挙げ始めるときりがない。
そこで本徹底分析はまず,呼吸器手術の進歩および最先端のロボット手術について,外科医の立場から解説していただいた。さらに上記の素朴な疑問に答えるべく,呼吸器手術の麻酔のエキスパートに執筆をお願いした。一人でも多くの読者にとって,周術期管理の知識の整理,ひいては患者のアウトカムの改善に役立てば,企画者としてこのうえない喜びである。
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