徹底分析シリーズ 気道管理の最先端
巻頭言
石川 晴士
1
1順天堂大学医学部 麻酔科学・ペインクリニック講座
pp.601
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200602
- 販売していません
- 文献概要
気道管理は麻酔科医が毎日のように行う最も身近でなじみ深いものです。にもかかわらず,あるいは身近であるからこそかもしれませんが,疑問が尽きない奥の深い領域です。筆者は若い頃に,換気ができることを確認するまで筋弛緩薬を投与してはいけないと教わったので,最近の考え方を受け入れるのは容易ではありませんでした。またLiSAの編集会議でも,挿管や抜管のやり方が指導医によって違うことに困惑している若い麻酔科医が少なくありません。次々と登場する新しい知識や手技を身につけることの困難さに加え,確固たるエビデンスが存在せず,さまざまな考え方が存在することも,気道管理の本質を見えにくくさせているのかもしれません。このように,一般的な気道管理でさえ,時に困難に感じられるわけですから,特殊疾患を合併している場合はなおさらです。そこで今回は,頭頸部外科患者や睡眠時無呼吸症候群を有する患者といった特殊な患者群の気道管理を取り上げました。いずれの患者も,一歩間違えると重篤な換気不全や低酸素血症に陥りかねない危うさをはらむものばかりです。本徹底分析が読者の知識をリフレッシュし,気道管理の自信を深めることに役立つことを願っています。
Copyright © 2016, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.