徹底分析シリーズ 呼吸器疾患患者の周術期管理
巻頭言
石川 晴士
1
1順天堂大学医学部 麻酔科学・ペインクリニック講座
pp.829
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200938
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- 文献概要
突然,呼吸器疾患を有する患者の麻酔を担当することになり,どのように管理すべきか慌てて本やインターネットで調べたり,先輩や同僚に尋ねたりした経験のある若い読者は少なくないのではないでしょうか。経験を積み重ねてベテランと呼ばれる麻酔科医になっても,重篤な呼吸器疾患を有する患者に関して,全身麻酔での管理が可能か,術前管理をどのようにすべきか,改めて外科系主治医に尋ねられると,なかなか自信をもって答えられないということもあると思います。一般に,併存疾患を有する患者の麻酔では,その管理が転帰を左右しかねないため,併存疾患の正しい知識が必要です。併存疾患の存在によって,周術期管理はより複雑になりますが,現代の医療水準にもとづいて最上の管理を提供できてこそ,麻酔科医の麻酔科医たる所以です。
そこで今回の徹底分析では,数多くある併存疾患の中から呼吸器疾患に焦点を絞り,気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患といったありふれた疾患から比較的まれな疾患まで,疾患概念,病態,治療などに加え,周術期管理のあり方をまとめました。古くから知られている常識的なことだけでなく,気管支喘息の疾患概念,慢性閉塞性肺疾患の重症度評価など,新しい情報も盛り込まれています。本特集が若手からベテランまで,多くの読者のお役に立つと思います。
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