徹底分析シリーズ 正しく使おう 筋弛緩薬
コラム:ロクロニウム・スガマデクスとアナフィラキシー―筋弛緩にまつわる思わぬ落とし穴
荒川 真有子
1
,
河野 崇
1
Mayuko ARAKAWA
1
,
Takashi KAWANO
1
1高知大学医学部 麻酔科学・集中治療医学講座
pp.852-856
発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101913
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「確実な気道確保」および「良好な術野の確保」は,麻酔管理をするうえで重要な要素であり,そのために筋弛緩薬は大きな役割を担う。効果発現が迅速な非脱分極性筋弛緩薬であるロクロニウムは,調節性に優れ,周術期での有用性はきわめて高い。また,拮抗薬であるスガマデクスにより,その安全性と確実性はさらに向上した。
一方で,ロクロニウムは突然に重度の副作用を起こす可能性がある。そのなかでも,アナフィラキシー(コラム)は,まれではあるが重篤な合併症で,救命のためには素早い判断と対応が鍵となる。アナフィラキシーは,すべての筋弛緩薬で起こり得るが,そのなかでもロクロニウムによるものの頻度が高いと言われている。さらに,近年,スガマデクスによるアナフィラキシーの報告もなされている。
本稿では,ロクロニウムおよびスガマデクスの副作用のうち,アナフィラキシーに焦点を絞り,その特徴や治療について概説する。
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