特集 あなたの知らない産科麻酔の世界
妊婦への筋弛緩薬とマグネシウムと拮抗薬と—全身麻酔下帝王切開分娩時にロクロニウムやスガマデクスはどう使うか?
桜井 康良
1
Yasuyoshi SAKURAI
1
1独立行政法人地域医療機能推進機構船橋中央病院 麻酔科
pp.1094-1099
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200714
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帝王切開cesarean delivery(CD)の麻酔は区域麻酔が第一選択であるが,症例によっては全身麻酔を選択せざるを得ないこともある。そうなったときに筋弛緩薬は何を選択するべきか? ロクロニウムを使えるのか? マグネシウム投与時はどうするのか? スガマデクスで拮抗できるのか?
本特集の元となる「産科麻酔セミナー」ではcase discussion tableも企画され,そのうちの一つとして「全身麻酔による帝王切開の麻酔をどうするか?」というテーマもあった。ここでのディスカッションにて,全身麻酔の適応を決める難しさが表れていた。全身麻酔下CDという追い込まれた状況で,適切に判断を下すために必要な臨床知見は残念ながら少ない。
筆者は,マグネシウム(Mg)の投与を受けている症例も含め,ロクロニウムの効果発現時間およびスガマデクスによる筋弛緩からの回復時間のデータを収集し発表してきた1〜3)。これらの結果を,最近の知見も踏まえて再整理する。現場での判断の参考にしていただきたい。
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