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増刊号特集 最近のトピックス2016 Clinical Dermatology 2016
5.皮膚科医のための臨床トピックス
筋弛緩薬によるアナフィラキシー
Anaphylaxis to neuromuscular blocking agents
益田 浩司
1
Koji MASUDA
1
1京都府立医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyoto Prefectural University of Medicine, Kyoto, Japan
キーワード:
筋弛緩薬
,
アナフィラキシー
,
周術期
,
皮膚テスト
Keyword:
筋弛緩薬
,
アナフィラキシー
,
周術期
,
皮膚テスト
pp.161-163
発行日 2016年4月10日
Published Date 2016/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204769
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summary
筋弛緩薬は,周術期における薬剤性アナフィラキシーの原因薬として最も多く,次いでラテックス,抗生物質といわれている.筋弛緩薬は国内においては脱分極性のスキサメトニウム,非脱分極性のベクロニウム,ロクロニウムが使用可能である.いずれの薬剤においてもアナフィラキシーの原因として共通構造である第4級アンモニウム構造の関与が示唆されている.第4級アンモニウムは界面活性剤として歯磨き粉,洗剤,シャンプー,リンス,マニキュア,鎮咳薬など,日常生活で使用される多くの物質に含まれており,これらで感作され,初めて投与された筋弛緩薬でもアナフィラキシーを起こす可能性がある.検査としては,発症から6週間以上空けてプリックテスト,皮内テストが通常行われるが,直接的な血管拡張作用もあるため希釈濃度に注意が必要である.
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