徹底分析シリーズ 静脈血栓塞栓症
抗凝固薬と術後鎮痛―血栓症リスクと出血リスクのバランスを考え,適切な術後鎮痛を提供する
堀田 訓久
1
Kunihisa HOTTA
1
1自治医科大学 麻酔科学・集中治療医学講座
pp.554-558
発行日 2013年6月1日
Published Date 2013/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101842
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
静脈血栓塞栓症(VTE)の予防法として,理学的予防法が広く普及しているが,ハイリスク患者に対しては,抗凝固薬の使用が推奨されている。しかしながら,抗凝固薬はVTEの予防効果が高いものの,出血性合併症のリスクが必ずつきまとう。麻酔科医にとっては,術後出血だけでなく,硬膜外麻酔に伴う硬膜外血腫のリスクも,重要な問題である。周術期に用いる抗凝固薬の特性を理解し,適切なVTE予防と術後鎮痛を実践しよう。術後硬膜外鎮痛は,十分なベネフィットが得られるケースに行うべきであり,硬膜外血腫のリスクは最小限に抑えたい。
Copyright © 2013, "MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD." All rights reserved.