徹底分析シリーズ 静脈血栓塞栓症
理学的予防法に関する正しい知識―単純なようで単純でない血栓予防機序とエビデンス
菊地 龍明
1
Tatsuaki KIKUCHI
1
1横浜市立大学附属病院 医療安全・医療管理部
pp.546-552
発行日 2013年6月1日
Published Date 2013/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101841
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2004年の診療報酬改定で新設された肺血栓塞栓症予防管理料では,理学的予防法の実施が算定の条件となった。それから10年近くが経過した現在では,「ルーチンの予防策」として,弾性ストッキングや間欠的空気圧迫装置が広く用いられている。
血栓症の成因としては,Virchowの三徴(血流うっ滞,血管内皮障害,凝固能亢進)が知られており,理学的予防法がこれらのうち「血流うっ滞」を改善することは直感的に理解できるであろうが,プラスアルファの作用も有する。また,弾性ストッキングや間欠的空気圧迫装置には,さまざまな種類の製品が存在することから,普遍的なエビデンスが少ないのも事実である。
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