徹底分析シリーズ MICS麻酔デビューに向けて—低侵襲僧帽弁手術を低侵襲で終わらせよう!
MICSの術後鎮痛—術後早期回復を達成するために
藤田 信子
1
Nobuko FUJITA
1
1聖路加国際病院 麻酔科
pp.889-892
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101203036
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低侵襲心臓手術minimally invasive cardiac surgery(MICS)は,従来の胸骨正中切開よりも創が小さく,術後の回復が早く,術中の出血量などを軽減できるというメリットがある1)。僧帽弁形成術(MVP)では,右側開胸からのアプローチが主流であり,創は小さいものの,術後の疼痛に関しては胸骨正中切開よりも強く,慢性痛に移行しやすいと報告されている2)。術後疼痛管理がうまくいかないと,痛みでリハビリテーションが進まず,退院後も慢性痛に苦しみ,低侵襲という名からは程遠い結末となってしまう。つまり,MICSの最大のメリットである術後早期回復を達成するためには,術後疼痛管理は非常に重要となる。現在,さまざまな鎮痛方法が試みられているが,疼痛コントロールに難渋する症例もあり大きな課題となっている。
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