症例検討 泌尿器科手術1
褐色細胞腫に対する副腎摘除術―急激に変動する血圧や不整脈,血糖低下は,予測しながら対処せよ
辛島 裕士
1
,
外 須美夫
2,3
Yuji KARASHIMA
1
,
Sumio HOKA
2,3
1九州大学病院 麻酔科蘇生科
2九州大学病院 手術部
3九州大学大学院医学研究院 麻酔・蘇生学
pp.492-498
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101829
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症例
53歳の女性。身長153cm,体重46kg。1か月前に,頭痛を主訴に近医を受診した。血圧の著明な変動(収縮期圧120~250mmHg)と頻脈(100~160bpm)を認めたため,当院に紹介となった。CTとMRIで右後腹膜腫瘍を認め,MIBGシンチグラフィで腫瘍に一致した集積がみられた。また,血中ノルアドレナリンが2000pg/mLと高値であることより,右副腎褐色細胞腫と診断された。輸液および投薬で,血圧110/70mmHg,心拍数80bpmと,全身状態が安定した後に,褐色細胞腫摘出術が予定された。
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