徹底分析シリーズ デスフルラン1
デスフルランの物理化学―瓶の形状や気化器の構造が他の揮発性麻酔薬と異なるのはなぜか?
木山 秀哉
1
Shuya KIYAMA
1
1東京慈恵会医科大学 麻酔科学講座
pp.22-28
発行日 2013年1月1日
Published Date 2013/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101721
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
2011年から日本でも臨床使用が可能になったデスフルランは,すでに世界各国で20年以上にわたって使われている揮発性麻酔薬である。吸入麻酔は馴染み深い麻酔方法であり,精密な気化器による調節も容易なので,デスフルランをすぐに使い始めた麻酔科医もいるだろう。一方で,セボフルラン麻酔の名人は,デスフルランを今さら自らの臨床に取り入れる必要性を,あまり感じていないかもしれない。
デスフルランは,名前も化学構造も従来の揮発性麻酔薬に類似してはいるが,物理化学的性質が大きく異なるため,その違いが瓶の形状や気化器の構造など,いろいろな面に反映されている。デスフルランの物性に関して一歩踏み込んだ知識をもつと,この薬を用いた麻酔はいっそう興味深いものになる。
Copyright © 2013, "MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD." All rights reserved.