徹底分析シリーズ デスフルラン1
デスフルランの薬物動態―導入・覚醒が早いのはなぜか
安田 信彦
1
YASUDA,Nobuhiko
1
1学校法人慈恵大学 経営管理研究室
pp.12-15
発行日 2013年1月1日
Published Date 2013/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101719
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デスフルランが日本で認可され,麻酔の導入および覚醒が早いことは,国内でも実感され始めている。また,麻酔ガスの高い総流量を用いていれば,薬物動態の知識がなくても,麻酔はできてしまうかもしれない。しかし,デスフルランのMAC(最小肺胞濃度)は高く,高い総流量で用いることは,麻酔中の気化器に薬液を充塡する回数を増やすので,麻酔科医の作業負担が増すばかりでなく,術中覚醒のリスクも高める。もちろん,経済的な国民負担も増す。これらの点を考慮すれば,デスフルランは低い総流量(低流量麻酔*1)で用いるべき揮発性麻酔薬といえる。低流量麻酔を行うには,薬物動態の知識(少なくとも,あらまし)が必要になる。
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