カレンダー解説
ペーパーミントの瓶
ポール・セザンヌ
pp.40
発行日 1963年10月10日
Published Date 1963/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202945
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ポール・セザンヌは南フランス,エスク・アン・プロヴァンスに生れた彼は,絵の勉強のために,たびたびパリに行っているが,パリの生活への不満や,友人との仲たがいなどで,すぐ郷里にもどり,生涯の大半を生地で過し,そこで没した.
セザンヌは,当時画壇の注目のまとであった印象派およびゴッホ,ゴーガンなどの絵にあきたらず,むしろ,ドラクロアや,アングルなど,新古典派のがっちりと組み立てられた絵に興味をもち,新しい絵の方向を打ち立てようと努めた.そのために,セザンヌは対象を描くというよりも,線や色彩で対象を撫で,重みを計り,これをつかみ出そうとし,その対象との戦いで,あるいはテーブルをゆがめ,果物をつぶし,しかもなおみごとに対象を画布に定着させることに成功している.
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