Medical Topics
薬瓶に海賊旗をひるがえせ,他
A
pp.96-97
発行日 1968年4月1日
Published Date 1968/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913956
- 有料閲覧
- 文献概要
棚にならんだ薬瓶に何者かの手がのび,すっとそのうちの1本を抜き取る。その瓶には,骸骨の下に骨が斜十字にクロスした,例の海賊船の旗印に見る不吉なマークがついている。毒殺事件をテーマにした映画によくあるシーンだが,見ている者に,薬はなんであれ,それを飲まされた者は死ぬだろうということがわかる。
今年の1月号にのっていた仙台の国立療養所で起きた石炭酸かん腸事件を読んで,私が限りない怒りを覚えたのは,決して看護婦諸姉を悪条件に放置して顧みない政府に対してではない。今の政府はそんなことは先刻ご承知で,ただかれらは気の毒にも金持ちや権力者に奉仕するのに忙しくて,微力な医師や看護婦にまで手がまわらないという事情があるからである。
Copyright © 1968, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.