徹底分析シリーズ デスフルラン1
デスフルランと脳機能―鎮静作用から脳循環まで
西川 光一
1
,
中畑 克俊
1
Kouichi NISHIKAWA
1
,
Katsutoshi NAKAHATA
1
1和歌山県立医科大学 麻酔科学講座
pp.16-20
発行日 2013年1月1日
Published Date 2013/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101720
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筆者が最初にデスフルランに興味をもったきっかけは,2000年,2か所目の留学先であるコーネル医科大学の研究室にいたときのことであった。麻酔薬保管庫にデスフルランの容器を見かけて,いつか日本でも使われるようになるかもしれない,そのときのために何か調べておこう,と思ったことを記憶している。手術室ではすでに頻繁に臨床使用されているのを見ていたのだが,その後,自分でも実験を行い,デスフルランによる麻酔も経験した。
結論として,脳神経機能への影響,特に抑制系神経ネットワークへの影響という観点から考えると,デスフルランはセボフルランに近い作用をもつと考えられる。本稿ではデスフルランと脳機能に関して,ほかの吸入麻酔薬と比較しながら,最近のトピックを紹介する。
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