徹底分析シリーズ 麻酔器
知れば臨床が面白くなる
気化器—冬の幻想的な光景を眺めながら「蒸気圧」思う
木山 秀哉
1
Shuya KIYAMA
1
1東京慈恵会医科大学 麻酔科学講座
pp.1002-1009
発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200400
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揮発性吸入麻酔薬は,保管時の状態と実際に患者に投与される状態が大きく異なる。常温で液体の薬物を気化させるために特殊な装置を必要とする,他科では類をみない薬物である。「気化」は,液体の表面から気化する「蒸発evaporation」と,液体内部からも気化が起こる「沸騰boiling」に分けられるが,沸点が低いデスフルラン(23.5℃)以外の揮発性麻酔薬では,臨床上「沸騰」現象を考慮する必要はない。気化器の構造を解説する前に,物質の相変化のうち「蒸発」現象から始めよう。
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