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超音波ガイド下末梢神経ブロックは,ここ数年で注目を集め,多くの施設で行われるようになった。ハンズオンセミナーが開催され,日本語の教科書が揃ったことが,その普及を助けている。しかし,セミナーを受講し,教科書で勉強しても,実際の臨床で使いこなすにはどうしてもギャップが存在する。また,進歩の著しい分野だけに,教科書に記載されている方法はすでに時代遅れということもあり得る。
本症例検討は,臨床で超音波ガイド下末梢神経ブロックを実践していくうえでの最新のノウハウを提供することを目標にした。今月は初級編として,初心者でも比較的に容易に実践できるブロックについて取り上げた。
長年のブロック経験にもとづくコツや注意点を紹介した後に,上肢のブロックとして腕神経叢ブロックの鎖骨上・腋窩アプローチ,下肢のブロックとして大腿神経ブロック,さらに体幹のブロックとして腹横筋膜面(TAP)ブロックを取り上げている。特に上肢のブロックでは,同じ症例を用いて鎖骨上と腋窩からのアプローチについて比較した。それぞれの長所・短所について理解を深めていただきたい。
本症例検討のもう一つの特徴は,世界最大のソーシャルネットワークであるFacebook(FB)上での議論がもとになった点である。取り上げた論点は,FB内の「超音波ガイド下末梢神経ブロックの小部屋」で議論されたものである。FBでは,グループ機能を使ってメンバーのみアクセスできるコミュニティーを作ることができる。各執筆者には必要に応じてこのメンバーに意見を求めたり,アンケートを行ったりすることで,できるかぎり最新かつ一般的な知見をまとめてもらった。その意味で,本症例検討はグループのメンバーの共同作業である。連日,白熱した議論が繰り広げられているので,参加に興味のある先生は,FBに登録後,筆者に友達申請をして入会の意思を伝えていただきたい。
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