徹底分析シリーズ 痛みのバイオロジー
痛みの脳機能画像―ボトムアップからトップダウン,研究から臨床,意識から無意識へ
大城 宜哲
1
Yoshitetsu OSHIRO
1
1姫路石川脳機能画像研究所 仁寿会石川病院 ペインクリニック内科 リハビリテーション科
pp.478-483
発行日 2012年5月1日
Published Date 2012/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101525
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米国議会は,痛みによる社会的経済的損失が650億ドル(当時のレートで約8兆円)にのぼるとして,2001年から2010年までを「痛みの10年 Decade of Pain Control and Research」に制定した。1991年から2000年までの「脳の10年Decade of the Brain」と相まって,痛みの中枢レベルでの研究は格段に進歩した。筆者は,その期間に米国で機能的磁気共鳴画像functional MRI(fMRI)を用いた痛みの脳研究を行い,MelzackとCaseyの内側系・外側系のモデルにトップダウンの要素を加えた新しいモデルを提唱した。
本稿では,このモデルを紹介するとともに,痛みばかりでなく無意識の謎まで解明するかもしれないと現在研究を進めている新しい手法,resting state fMRIについて紹介する。
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