連載 「ゼロ」からはじめるオープンダイアローグ・2
「無意識」の協働作業
斎藤 環
1
1筑波大学医学医療系社会精神保健学
pp.542-547
発行日 2020年11月15日
Published Date 2020/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200813
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
肝心なことは、言えない
この連載のキーワードのひとつが「否定神学」です。決してわかりやすいとは言えない言葉ですが、今回はできるだけ噛み砕いて説明してみます。さしあたり私の経験から言えることは、否定神学的な思考法は、知性のブースター(昇圧器)ないしレバレッジ(てこ)のようなツールになる、ということです。
口はばったいことを言うようですが、私は精神分析を経由してこの思考法を身につけたおかげで、専門外のさまざまな領域についても分析したり批評したりすることができるようになりました。もちろん臨床にも応用が効きます。それを使いこなすかどうかは別として、本連載ではそういう考え方—あるいは、そういう考え方をする人—がこの世界には数多く存在するのだ、という事実を知っていただきたいと思っています。
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.