徹底分析シリーズ 3.11から学ぶ
コラム:情報を集積し,後方支援体制をどう作るかが課題
落合 亮一
1
OCHIAI, Ryoichi
1
1東邦大学医療センター大森病院 麻酔科
pp.256-257
発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101477
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早いもので東日本大震災から1年が経過しようとしている。現在もなお,原発問題は解決をみず,被災地の復興も始まったばかりであるが,報道から得られる情報からは,着実とした現地での営みが伝わってくることに感動を覚える。
発災直後には,筆者の勤務する東京もある意味で“被災地”であり,災害拠点病院として,あるいは麻酔科医として,何ができるのかを考えさせられた。麻酔科医は整備された環境でのみ機能する特殊な職種で,災害医療とは最も離れた立場にある。日々の診療を確実に,そして安全に行うことでさえ多くの努力が必要であり,決して余裕のある環境とはいえまい。そうした現状を維持しつつ,後方支援を考えることは,麻酔科医のみでは解決の糸口を見つけることさえも難しい。
私立大学麻酔科のメーリングリストを用いて行った情報交換について,という原稿依頼があったが,成果に乏しかったことも事実であり,それは災害医療と麻酔科医という組み合わせで危機管理がなされていないことを物語っている。
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