特集 現代の予防接種—その意義と課題
予防接種の実施体制とその課題
菊池 辰夫
1
1福島県医師会
pp.534-537
発行日 1995年8月15日
Published Date 1995/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901318
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はじめに
新しい予防接種法の趣旨に沿ってそれをどう実施していくかは,社会が予防接種をどう理解し,どう評価していくかにかかっている.
個人が予防接種を受けるということは,その個人が疾病から防御されることが第一義ではあるが,社会的には疾病の蔓延を抑制する効果,また疾病罹患がもたらす医療費を削減する効果も期待される.しかし一方では,接種した個人に極めて稀ではあるが健康被害が引き起こされることも考えるわけである.したがって,義務から勧奨へ,被接種者(保護者)の理解と同意,健康被害を少なくする予防的措置の充実,健康被害の救済措置の充実,予防接種の種類の見直しと接種率の向上対策が,新予防接種法の大きな柱になっており,それに沿った実施体制の整備が求められている.
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