症例検討 食道手術の麻酔
食道癌・下咽頭癌に対するESD―安全かつ確実な鎮静状態が要求される重篤な合併症が起こり得ることも念頭に
伯水 崇史
1
,
大畑 めぐみ
1
,
槇田 浩史
2
HAKUSUI, Takashi
1
,
OHATA, Megumi
1
,
MAKITA, Koshi
2
1東京医科歯科大学医学部附属病院 麻酔・蘇生・ペインクリニック科
2東京医科歯科大学大学院 心肺統御麻酔学分野
pp.618-622
発行日 2011年6月1日
Published Date 2011/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101269
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症例
63歳の男性。身長172cm,体重65kg。4年前に胃癌に対し幽門側胃切除を行っており,術後経過観察のための上部消化管内視鏡検査にて,門歯より25cmの生理的狭窄部近縁に0-Ⅱc m3の早期食道癌が指摘された。現在は禁煙しているが,胃癌の手術まで40本/日×30年の喫煙歴があり,肺気腫が指摘されている。呼吸機能は%VCが75%,1秒率が59%と混合性の呼吸障害を認めているが,日常生活では呼吸苦,咳,痰など症状の自覚はなく,治療はされていない。術者からは,自発呼吸を温存して麻酔管理を行ってほしいとの依頼がある。
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