症例検討 麻酔歴に問題がある患者のインフォームドコンセントと麻酔 1
硬膜穿刺後頭痛があった患者
それでもなんとか脊髄くも膜下麻酔に誘導:全身麻酔も禁忌とは言えない以上,選択肢として患者に提示
山本 寛人
1
,
大畑 めぐみ
1
,
槇田 浩史
1
YAMAMOTO, Hiroto
1
,
OHATA, Megumi
1
,
MAKITA, Koshi
1
1東京医科歯科大学医学部附属病院 麻酔・蘇生・ペインクリニック科
pp.798-801
発行日 2010年8月1日
Published Date 2010/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101004
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信頼関係の構築は第一印象で決まる
以前の麻酔で頭が痛かった,という情報が得られていたとしても,主治医から頭痛(程度のこと,と思われがち)で,連絡を受けることはまずないであろうから,おそらく診察直前にカルテを見て初めて発見するか,会話の中で初めて知るという状況に陥るであろう。この事実を知らされてから患者の不安を取り除くまでに与えられている時間はせいぜい10分程度。その間,表面上は円滑に診察を進めながらも頭の中ではぐるぐると対応策を練らなければならないという,われわれ麻酔科医にとっては非常に頭の痛い状況である。
そのあたりの医師の態度を,初対面の患者は特に注意深く観察している。まずは,「そのような状況は十分予想できることですが,今回は特に注意して麻酔をしましょう」という,患者が安心できる態度を見せることで,患者との信頼関係を築きやすくしておきたい。
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