症例検討 食道手術の麻酔
胸腔鏡下食道癌手術―分離換気の良否が麻酔管理の質を決める
加藤 洋海
1
KATO, Hiromi
1
1兵庫県立がんセンター 麻酔科
pp.612-617
発行日 2011年6月1日
Published Date 2011/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101268
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症例
60歳の男性。身長165cm,体重49kg。ウイルス性脳炎の既往がある。
2か月前から空腹時上腹部痛があり,近医を受診した。上部内視鏡検査で,門歯より29~33cmの1/2周陥凹性病変が認められ,24cmにも15mmの不染帯を指摘された。生検で,それぞれ有棘細胞癌squamous cell carcinomaおよび高分化上皮腫瘍high grade epithelial neoplasiaと診断された。進行度はcT1aN0M0, Stage0で,腹臥位胸腔鏡下食道悪性腫瘍手術(解剖学的経路による胃管挙上および頸部吻合)が予定された。
焼酎2合/日の飲酒歴と20本/日×40年の喫煙歴がある。血液生化学検査は正常範囲内,胸部X線写真も正常,心電図で洞性徐脈を認め,呼吸機能検査では%VCが89%,%FEV1.0が78.1%であった。
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