特集 咽喉頭・頸部食道癌を見逃すな-拾い上げから治療まで
咽喉頭、頸部食道癌のESD/ELPS 下咽頭表在癌のESD 適応と手技、偶発症と長期予後
飯塚 敏郎
1
,
菊池 大輔
,
武田 英彦
1駒込病院 内視鏡科
キーワード:
下咽頭腫瘍
,
術後合併症
,
消化管内視鏡法
,
治療成績
,
内視鏡的粘膜下層剥離術
,
生存期間
Keyword:
Hypopharyngeal Neoplasms
,
Endoscopic Mucosal Resection
,
Endoscopy, Gastrointestinal
,
Treatment Outcome
,
Postoperative Complications
pp.1868-1874
発行日 2020年12月25日
Published Date 2020/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2021086320
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
下咽頭表在癌のESDは、臓器温存やQOLの維持の観点から、他の治療方法と比較してより低侵襲な治療である。筋層浸潤のない限局した病変が治療の適応となる。全身麻酔下彎曲型喉頭鏡を用いて喉頭を挙上したのち、ヨード散布を行う。剥離中はトラクションをかけ剥離ラインを明瞭化することで剥離自体が容易になり、また存在する神経を損傷することなく剥離が可能となる。さらに使用する局注液の量を少なくすることが可能となり、治療後の喉頭浮腫を予防することになる。治療の安全性は高く合併症率は低いが、致命的になるケースもなかにはあるのでマネージメントに精通しておく必要がある。定期的なサーベイランスを行うことで、異時性多発癌の早期発見やリンパ節転移の発見が可能となる。自験例では長期的に原病死はなく、5年の全生存率は85.9%であった。
Copyright© 2020 tokyo-igakusha.co.jp. All rights reserved.