徹底分析シリーズ 病的肥満の治療と麻酔
コラム:糖尿病とmetabolic surgery
関 洋介
1
SEKI, Yosuke
1
1四谷メディカルキューブきずの小さな手術センター 減量外科
pp.104-106
発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101130
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栄養過剰や運動不足といった食生活・ライフスタイルの変化などにより,近年,肥満は世界規模で拡大しており,一種の疫病epidemicと考えられている。2型糖尿病,高血圧,高脂血症,睡眠時無呼吸症候群といった,合併症を伴う肥満(=肥満症)に対しては,食事・運動・行動・薬物療法といった内科的治療が行われるが,一時的な減量が得られても,減量効果の維持が困難なケースが多く,特に高度肥満患者では95%以上がリバウンドを起こすとされ,結果的に合併症に対する治療としても不十分となっているケースが多いのが実情である1)。
こうした症例に対して,欧米を中心に外科的治療(減量手術bariatric surgery)が行われており,優れた減量効果が示されている(詳細は他稿に譲る)。減量手術は体重減少効果のみならず,肥満関連合併症,とりわけ2型糖尿病に対する効果が著しく高いため,代謝手術metabolic surgeryと呼ばれることもある。
本稿では,減量手術が糖代謝に及ぼす効果について概説する。
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