予防と臨床のはざまで
Japan-Korea Joint Symposium on Metabolic Syndrome
福田 洋
1
1順天堂大学医学部総合診療科
pp.694
発行日 2013年8月15日
Published Date 2013/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102823
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6月21日,国際医療福祉大学東京青山キャンパスにて,日本健康教育学会主催のメタボリックシンドローム(以下,MetS)への保健指導に関する日韓交流シンポジウムが開催されました.今までも同学会では,国際交流委員会を中心に,釜山ツアーや学会日程にあわせた日韓交流会を企画してきました.今回は初めてシンポジウム形式で,日本と韓国の共通の課題である高齢化や生活習慣病の増大を踏まえて,両国のメタボ対策を共有し,議論する企画となりました.武藤孝司教授(獨協医科大学)と荒木田美香子教授(国際医療福祉大学)の座長で,シンポジストは日本から4名と韓国から1名が発表し,約40名が参加しました.
まず厚生労働省の柿澤満絵氏(厚生労働省健康局がん対策・健康増進課保健指導室)から「特定健康診査・特定保健指導をめぐる成果及び課題」と題して,導入の背景,制度の概要,成果について述べられました.平成23(2011)年速報値では特定健診受診率は2,362万人,特定保健指導は66万人に及び,平成20(2008)年度の特定保健指導を終了した者で32%のMetS減少効果があり,レセプトの分析からはMetS該当と非該当の医療費の差は年間約9万円であるとしました.また平成25(2013)年からの第2期の制度見直しについても言及し,制度の骨格に変更がないこと,情報提供・受診勧奨の強化,非肥満への対応,喫煙・アルコールのリスクに着目した保健指導の強化について解説されました.
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