特集 Hypercapniaをめぐる諸問題
Chronic HypercapniaにおけるMetabolic Alkalosisの問題点
藤田 一誠
1
1大阪府立羽曳野病院内科
pp.897-905
発行日 1974年12月15日
Published Date 1974/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202692
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急性および慢性呼吸不全患者におけるAcidosisの危険性については数多く指摘されてきたが,Alkalosisに関する問題点は比較的看過されてきた傾向がある。Chronic Hypercapniaの患者を管理する際に我々はしばしばMetabolic Alkalosis (以下M.Al.)を合併した例に遭遇ししかもその予後が不良なことを経験する。M.Al.はAcidosisのような危険性は少いといわれているが。①O2—Hb解離曲線左方推移による組織Hypoxiaの増悪1),②Ca++およびMg++の低下2),③乳酸およびピルビン酸代謝の障害3),④Hypokalemia合併による心収縮力の減少の,不整脈の出現,⑤M.Al.に対する呼吸性代償機転即ち呼吸抑制5)〜7)等を招来し呼吸不全をより一層悪化させる可能性があり,その病態生理の把握と対策の確立は呼吸不全を扱う臨床医にとって必要不可欠のものである。以下M.Al.に伴う問題点について検討する。
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