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特集 最近のトピックス2011 Clinical Dermatology 2011
2.皮膚疾患の病態
弾力線維性仮性黄色腫のmetabolic hypothesis
Metabolic hypothesis of pseudoxanthoma elasticum
菊池 康
1
,
玉井 克人
1
Yasushi KIKUCHI
1
,
Katsuto TAMAI
1
1大阪大学大学院医学系研究科再生誘導医学寄附講座
1Department of Stem Cell Therapy Science,Osaka University Graduate School of Medicine,Suita,Japan
キーワード:
ABCC6
,
代謝仮説
,
石灰化抑制因子
,
ビタミンK
Keyword:
ABCC6
,
代謝仮説
,
石灰化抑制因子
,
ビタミンK
pp.60-64
発行日 2011年4月10日
Published Date 2011/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102894
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要約 弾力線維性仮性黄色腫(PXE)は弾力線維の変性とカルシウム沈着を特徴とする常染色体劣性遺伝性疾患であり,弾力線維の豊富な皮膚,眼,心血管に障害が生じる.PXEの原因として2000年にABCC6遺伝子の異常であることが報告されたが,肝臓で主に発現しているこの遺伝子がどのようにして皮膚を含む末梢組織でカルシウム沈着を引き起こすのかは不明であった.近年Abcc6ノックアウトマウスを用いたいくつかの実験が行われ,PXEの病態はABCC6の異常によって血中の石灰化抑制因子が減少することに起因するという代謝仮説を強く支持する結果が得られた.今後これらの結果をもとに病態の理解がさらに進み,新しい治療法が開発されることが期待される.
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