症例検討 前立腺疾患の麻酔
前立腺疾患:疫学の動向,治療のトレンド,手術のポイント
鈴木 和浩
1
Kazuhiro SUZUKI
1
1群馬大学大学院医学系研究科 泌尿器科学
pp.1064-1068
発行日 2009年11月1日
Published Date 2009/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100797
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前立腺疾患は良性疾患としての前立腺肥大症,悪性疾患として前立腺癌が重要であり,どちらも加齢に伴って増加し,その罹患率は上昇の一途をたどっている。特に前立腺癌は,2003年の集計では胃癌,肺癌についで第3位となった。進行病期でも特異的な症状に乏しく,腫瘍マーカーである前立腺特異抗原(PSA)が早期発見には有用である。欧州で行われたPSAを使用したスクリーニングの大規模無作為化比較試験によって前立腺癌死亡率が約9年間で20%減少することが報告され,癌検診の最終的目標である死亡率減少効果が証明されるに至った。治療法の進歩は目覚ましく,前立腺肥大症ではバイポーラTUR-Pやホルミウムレーザー前立腺核出術などにより,巨大前立腺肥大症においても安全に手術が可能になってきている。前立腺癌では,前立腺全摘術において鏡視下手術,ミニマム創手術が普及してきている点や,勃起神経温存に対する術式の進歩などが著しい。
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