特集 専門職看護の新たな視点―コンシューマ主導の発想とマーケティング〈第27回聖路加看護大学公開講座より〉
てい談 保健医療・看護におけるコンシューマ主導の考え方とマーケティング
Leann L. Strasen
1
,
村田 昭治
2
,
荒井 蝶子
3
1ナショナル・メディカル・エンタープライズ
2慶應義塾大学商学部
3元聖路加看護大学
1National Medical Enterprises, INC.
pp.430,461-473
発行日 1995年9月30日
Published Date 1995/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686902224
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村田 このテーマで始める前に,私にご質問をいただいていますので,お答えしましょう.医療にはいろんな分野があって,看護が,医事行為に付随した仕事であると思える面もいくつかあるけれども,看護の立場から,患者さんのニーズを正確に,そしてきめ細かく知りたいのですが,その手法が,産業界にあるのかという質問です.
これにはとてもいい例がたくさんあると思います.私たちにとって,病院や看護というのは本当に近い存在でありながら,心理的な距離があるんですね.なんとなく怖いとか,病院というと普段行かないところで,非日常が待っているような感じがするわけです.私は,看護について,誰が主役,誰が脇役ということはないんではないかと思います.例えば,オピニオン・リーダーといわれる人たちの意見を聞くこともひとつの方法だろうと思います.これを専門では「デルファイ法」といいますが,あるいは,順番に病院から出てくる人の不満や不平,不信,不快感に耳を傾けてみるということもひとつだと思います.
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