講演・3 専門職看護のためのコンシューマ主義とマーケティングの応用

看護職によるマーケティング・モデルの活用

　私は，マーケティングの最終目標が，生活の質の向上に貢献することであると申し上げました．マーケティングのこのような目標について考えますと，なぜ私たちは専門職にある者として，もっと以前にマーケティングについて取り組んでこなかったのか問わなければなりません．その理由はわかっています．他の専門職と同様，看護専門職は，自分たちの専門の臨床分野に注意を集中して，他の専門分野や学問が，自分たちの専門職に貢献することについて，特に理解しようとしてこなかったのです．

　私は，様々な学問を追求し，継続的に教育を深めていく中で，それぞれの専門職や学問には，他の環境で非常に効果的に用いることができる知識や理論，原理という宝が豊富にあることに気がつきました．私はこれまでに，看護学，保健管理学，企業経営学，行政学，また最近では教育心理学等を学んできましたが，これらの学問のそれぞれから，保健医療，および生活の質への貢献という最終目標に非常に密接な関係がある技能や視野を得ることができました．では，マーケティングという学問を，どのように看護の専門的キャリアの中に取り入れ，具体的に看護の中に反映させていくかについてお話しします．