特集 専門職看護の新たな視点―コンシューマ主導の発想とマーケティング〈第27回聖路加看護大学公開講座より〉
シンポジウム コンシューマ主導のマーケティング的発想をどう看護に活かすか
村松 静子
1
,
井部 俊子
2
,
堀内 成子
3
,
Leann L. Strasen
4
,
羽山 由美子
3
,
香春 知永
3
1日本在宅看護システム株式会社
2聖路加国際病院
3聖路加看護大学
4ナショナル・メディカル・エンタープライズ
4National Medical Enterprises, INC.
pp.430,487-514
発行日 1995年9月30日
Published Date 1995/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686902226
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司会 今回,公開講座準備委員会で,このシンポジウムの企画を立てたときの主旨についてお話したいと思います.病院の看護部長など,トップマネジメントの立場である方でないかぎり,マーケティングという概念は馴染みのないものだと思います.この公開講座を企画した委員の1人ひとりにとっても,やはりとても新しい考え方でした.これまでのストラッセン先生の講演から,アメリカの保健医療の事情や,80年代以降,マーケティングへの関心が看護職のあいだでも高まってきたこと,その背景として保健医療における競争の激化,医療費の高騰,クライエント,コンシューマたちの人権や意識の高まり,あるいは主張が多くなってきたということを知り,看護職がこのようなことに関心をもった経緯を,私たちもよく理解することができました.
また,慶応義塾大学の村田先生には,マーケティングとはなにかという,その根本に流れる理念を講演していただきました.村田先生と,ストラッセン先生の講演は,話し方や内容の面では非常に違うのですが,根本に流れているアイディアは共通しています.ストラッセン先生の講演でも,コンシューマの満足等々について触れられていたと思いますが,それは村田先生の言葉では「Citizen satisfaction」というものでした.
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