徹底分析シリーズ 意識下挿管
意識下挿管に有用な神経ブロック
近江 明文
1
Akibumi OMI
1
1厚生中央病院 麻酔・集中治療科
pp.114-119
発行日 2007年2月1日
Published Date 2007/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100208
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気管挿管は気管チューブという大きな異物が気道内に侵入するものであり,意識清明な患者にとって,咽頭・気管反射が必発するつらい処置である。それゆえ,通常の麻酔導入時のように患者の意識を消失させてから挿管するのが基本である。しかしながら,フルストマックで挿管困難が予想される場合など,何らかの理由で意識下挿管を行わざるを得ないときがある。この際には,患者の不安をやわらげ,信頼と協力を得るために,挿管手技の必要性や反射抑制のための麻酔方法などについて丁寧に説明することが重要である。
意識下挿管の場合,特に咽喉頭・気管粘膜の表面麻酔が大切である。呼吸器科医による気管支鏡検査時の麻酔を実際に見学すると参考になる(サイドメモ1)。舌・口腔・咽喉頭・気管の表面麻酔の重要性を十分理解したうえで,的確な神経ブロックを施行すれば,患者の苦痛はかなり軽減される。
本稿では,意識下挿管の際に必要な喉頭の解剖学的知識,ならびに神経ブロック法や表面麻酔についても述べる。
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