特集2❶ ERスタンダード 急性腹症—それでも見逃す腹痛のワナ
4.急性腹症でのCT使用・選択の極意—単純か造影か? リスクマネジメントはどうするか?
増井 伸高
1
Nobutaka MASUI
1
1札幌東徳洲会病院 救急集中治療センター
pp.840-848
発行日 2025年3月25日
Published Date 2025/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.275835970020060840
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ERの腹痛患者に対する検査の実施率は,血液検査が約9割,CT検査が4割,超音波検査が2割という報告がある1)。同研究では,これらの検査で最も診断に寄与したのはCTであり,採血や腹部超音波は診断への影響は少なかったとされる1)。
確かにCTは,腹痛診断における強力な診断ツールである。しかし,必ずしもマネジメントを変えるわけではない点には注意が必要だ。同研究では腹部CTを実施してもdispositionが変わったのは,たった43%だとしている1)。
そこで本稿では,腹部CTの適切な利用のために重要となるポイントを交えつつ,単純CTと造影CTをどのように選択すべきか? そして造影剤腎症やアレルギー,放射線被曝へのリスクマネジメントをどうするか?について解説していく。

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