特集 急性腹症の画像診断
急性腹症における画像検査の選択
古川 顕
1
,
白川 崇子
,
井上 明星
,
大田 信一
,
金崎 周造
,
佐藤 文恵
,
松本 純一
,
山崎 道夫
1首都大学東京 健康福祉学部
キーワード:
Gadolinium
,
急性腹症
,
MRI
,
超音波診断
,
造影剤
,
X線CT
,
腹部X線診断
,
ヨウ素化合物
Keyword:
Abdomen, Acute
,
Contrast Media
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Radiography, Abdominal
,
Ultrasonography
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Iodine Compounds
,
Gadolinium
pp.1369-1377
発行日 2016年11月25日
Published Date 2016/11/25
DOI https://doi.org/10.15105/J00235.2017083148
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急性腹症の診断における画像診断の役割はきわめて大きい.画像検査の選択は,限られた時間内に安全に最大限の情報が得られるよう,検査の有用性,限界,危険性を考慮して決定されなければならない.単純X線検査は診断,治療方針決定への寄与度が高くなく,ルーチン検査として行うことは好ましくない.腹部超音波検査は簡便かつ非侵襲的であり,その陽性所見の診断的価値は高いため,初診時に大いに活用すべきである.CT,特に造影CTの診断能はきわめて高い.ただし,被ばくと造影剤の危険性に配慮して適応を決定する必要がある.急性腹症におけるMRIの果たす役割は限定的であるが,その有用性を理解し,臨床活用することが求められる.妊婦や小児に対して腹部単純X線検査やCT,MRI,造影剤の使用は禁忌ではない.ただし,有益性と危険性,代替検査の可能性を十分考慮した上で,適用を決定する必要がある.
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