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特集 脳の高次機能へのアプローチ
綜説
数理工学からみた脳の高次機能—連想記憶のモデル
A model of associative memory
南雲 仁一
1
Jin-ichi Nagumo
1
1東京大学工学部計数工学科
pp.209-221
発行日 1974年6月15日
Published Date 1974/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902994
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Ⅰ.構成的方法
与えられた標題「数理工学からみた脳の高次機能」において,「機能」とはいうまでもなく情報処理の機能の意味であろうが,「高次」の意味するところは必ずしも明確でない。しかし,ここでは,何らかの意味で,脳を構成する神経回路網の組織化(organization),あるいは可塑性(plasticity)に関係した機能を考えることにする。たとえば適応,学習,連想的な記憶などがその例である。
つぎに「数理工学からみた」という言葉の意味をはつきりさせておかねばならない。ここでは,「構成的(synthetic),あるいは工学的でかつ定量的なアプローチによる」とでも解釈しておいていただきたい。ここで構成的(工学的)アプローチとはつぎのようなものである。
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