特集 器官―その新しい視点
4.リンパ
脾臓
松野 健二郎
1
Kenjiro Matsuno
1
1熊本大学医学部解剖学第二講座
pp.415-418
発行日 1996年10月15日
Published Date 1996/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901122
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ポイント 脾臓辺縁帯とリンパ節辺縁洞の「相同」性
脾臓とリンパ節はともに末梢リンパ組織の代表であり,体液性および細胞性免疫応答の中心となる臓器である。われわれは血液が脾臓に開放する場所のひとつである辺縁帯と,リンパ液がリンパ節にそそぎ込む場所である辺縁洞(辺縁リンパ洞)が,共通した構造を持つことに気がついた。両者とも,1層の細胞(血管またはリンパ洞内皮)によって実質組織(白脾髄または皮質)から境されており,その内皮は実質側でさらに1層のマクロファージ系の細胞(便宜的にperisinal macrophageと名付ける)によって裏打ちされているのである。ここでは,この構造が脾臓の中で担っている役割を,形態と機能の両面からリンパ節と比較することにより考察する。
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