マクロとミクロ
脾臓
佐々木 憲一
1
1中央鉄道病院中検
pp.6-7
発行日 1974年1月1日
Published Date 1974/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200333
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脾臓は細網内皮細胞系に属する臓器の1つで,赤血球破壊(ただし胎生期には血球産生にあずかる),鉄の新陳代謝に重大な役割を演ずるとともに,リンパ球の産生にも関与し,また血液循環系にも属する重要な臓器である.
その発生は,胎生1か月の終わりに胃の後面(dorsalmesogastrium)から突出し,細胞が増生するとともに胎生第3か月で分離をしはじめる.やがて本来の形を形成するとともに,脾臓の基礎となる間葉組織が増加し,これより被膜,脾柱,網眼が生じてくる.胎生6か月でリンパ組織が生じ,また血液洞が形成されるが,胎生期にはこの脾臓で造血が行なわれる.
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