増大特集 脳とからだ
Ⅱ.グリアと脳の相互作用
グリアの生理機能喪失による疾患と治療戦略
𠮷田 賢治
1
,
杉尾 翔太
1
,
加藤 大輔
1
,
和氣 弘明
1
Yoshida Kenji
1
,
Sugio Shouta
1
,
Kato Daisuke
1
,
Wake Hiroaki
1
1名古屋大学大学院医学系研究科分子細胞学
キーワード:
グリア細胞
,
オリゴデンドロサイト
,
神経活動依存性髄鞘形成
,
高次脳機能
Keyword:
グリア細胞
,
オリゴデンドロサイト
,
神経活動依存性髄鞘形成
,
高次脳機能
pp.450-453
発行日 2021年10月15日
Published Date 2021/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201412
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中枢神経系を構成する細胞の半数以上はグリア細胞によって占められている。グリア細胞はアストロサイト(星状膠細胞),オリゴデンドロサイト(希突起膠細胞),ミクログリア(小膠細胞),NG2細胞に分類され,それぞれ異なる生理機能を有している。これらグリア細胞が神経細胞と相互に機能的連携をとることで高次脳機能の発現に寄与することが明らかになるにつれ,精神・神経疾患の病態へのグリア細胞の関与が着目されてきている。本稿ではグリア細胞のなかでも特に,髄鞘形成を担うオリゴデンドロサイトとその前駆細胞の生理機能に関する最近のトピックスを紹介し,その機能喪失による精神・神経疾患への関与について述べ,オリゴデンドロサイトを標的とする治療戦略の可能性について考察する。
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