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われわれの脳神経系にはニューロン(神経細胞)のほかにグリア細胞といわれる一群の細胞がある。中枢神経系においてこれらは大きくアストロサイト(星状膠細胞),オリゴデンドロサイト(希突起膠細胞),ミクログリア(小膠細胞)に分類される。アストロサイトは血液脳関門の形成やシナプス機能の調節など,脳機能発現のために重要な役割を果たしていることが明らかとなってきた。オリゴデンドロサイトはミエリン(髄鞘)を形成する細胞であるが,神経軸索の蛋白質局在をダイナミックに調節している。ミクログリアは脳内の清掃人として機能しているだけでなく,やはり神経伝達の調節にも関与することがわかってきた。これらのうち,アストロサイトとオリゴデンドロサイトはニューロン産生が終わった後,ともに神経幹細胞から産生される細胞であり,近年ニューロン産生からグリア産生に切り替わる機構の理解が急速に進んでいる。本総説ではこのスイッチングに焦点を絞って解説する。ミクログリアはその起源が中胚葉性とも神経幹細胞由来の外胚葉性ともいわれており,まだはっきりしていないのでここでは省略する。
The large majority of cells in the nervous system are glial cells, including astrocyte, oligodendrocyte, and microglia. Astrocytes provide growth factors that stimulate proliferation, migration and survival of neurons and their precursors, and guide axonal growth. In the central nervous system (CNS) oligodendrocyte form myelin sheaths around axons, and control the distribution of channel proteins on the axonal surface. Microglias play a role in clearance of apoptotic neurons and glia from the CNS, and more over they have been shown to regulate neurotransmitter release.
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