増大特集 タンパク質・核酸の分子修飾
Ⅰ.細胞核での分子修飾
ヒストン/核内タンパク質
メチル化
前田 亮
1
,
立花 誠
1
Maeda Ryo
1
,
Tachibana Makoto
1
1徳島大学先端酵素学研究所エピゲノム動態学分野
キーワード:
SAM
,
SETドメイン
,
PKMTs
,
PRMTs
Keyword:
SAM
,
SETドメイン
,
PKMTs
,
PRMTs
pp.404-405
発行日 2018年10月15日
Published Date 2018/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200850
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ヒストンを含む細胞内タンパク質のメチル化は,主にリシン残基とアルギニン残基に修飾される。ヒトのタンパク質に含まれるリシンまたはアルギニン残基のうち,およそ4,000個の残基がメチル化修飾を受けるとされている。リシン残基のメチル化は,S-アデノシルメチオニン(SAM)を用いることで,リシン特異的なメチル基転移酵素(PKMTs)によりモノ,ジ,トリの3種類の修飾がなされる。アルギニン残基のメチル化は,SAM依存的にモノ,ジメチル化(ジメチル化のなかに,1つの窒素原子に触媒される非対称的性ジメチル化と,2つの窒素原子に触媒される対称的性ジメチル化が存在する)の修飾がなされる。これらのメチル化は,発生特異的に一時期に施されるものから,細胞の代謝を維持するものまで,細胞内活動に幅広く関与している。
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