Japanese
English
臨床報告
保存的に経過観察しえた中結腸動脈瘤破裂と考えられた腹腔内出血の1例
A case of abdominal bleeding due to middle colic artery dissection managed conservatively
合志 健一
1
,
江口 大彦
1
,
原田 昇
1
,
川崎 勝己
1
,
是永 大輔
1
,
竹中 賢治
1
Kenichi KOUSHI
1
1福岡市民病院外科
キーワード:
中結腸動脈瘤
,
SAM
,
腹腔内出血
,
保存的治療
Keyword:
中結腸動脈瘤
,
SAM
,
腹腔内出血
,
保存的治療
pp.243-245
発行日 2011年2月20日
Published Date 2011/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103437
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨
46歳,男性.急性腹症で救急搬送された.CTで網囊~結腸間膜に広範な血腫を認めた.横行結腸壁肥厚を認め,中結腸動脈瘤破裂による腹腔内出血・虚血性腸炎が疑われ,緊急血管造影を施行した.中結腸動脈は血腫による圧排で蛇行しており,数珠状拡張・解離による壁不整が認められ,segmental arterial mediolysis(SAM)の関与が疑われた.活動性出血がなく,バイタルサインが安定していたため,保存的治療の方針とした.7病日のCTで血腫の増大はなく,結腸壁肥厚も改善していた.13病日の下部消化管内視鏡で虚血所見はなく,経過良好で22病日退院した.発症3か月後のCTで仮性瘤形成は認めていない.SAMによると思われる特発性腹腔内出血に対し,保存的治療で経過観察しえた1例を経験した.
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.