増大特集 生命動態システム科学
Ⅱ.数理生物学
4.転写
(1)真核生物の転写機構の数理解析
井原 茂男
1,2,3
,
大田 佳宏
2,3
Ihara Sigeo
1,2,3
,
Ohta Yoshihiro
2,3
1東京大学 先端科学技術研究センター
2東京大学大学院数理科学研究科
3生命動態システム科学推進拠点事業 転写の機構解明のための動態システム生物医学数理解析拠点(iBMath)
pp.458-459
発行日 2014年10月15日
Published Date 2014/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200038
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
■真核生物の転写過程の新しい課題
ポリメレース(PolII)がDNAの情報からRNAを産生する転写は,細胞の刺激応答の基本的過程である1)。従来,単一のPolIIがDNA上を走行してRNAを産生すると考えられてきたが,最近,真核生物ではPolIIは動かないまま協調的にDNAを引き寄せてRNAを産生するモデルが提唱されている。ここでは,真核生物の生きた細胞での転写過程を捉えるための実験と,その数理解析の結果を紹介する。
Copyright © 2014, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.