特集 生物リズムの発振機構:生命の時間をデザインする
植物における転写を伴わない計時機構
-Timing beyond Transcription, in Plants
Millar Andrew J.
1
,
吉村 崇(訳)
2
1School of Biological Sciences and Centre for Systems Biology at Edinburgh
2名古屋大学大学院生命農学研究科
キーワード:
シロイヌナズナ
,
真核微細緑藻 Ostreococcus tauri
,
数理モデル
,
システムバイオロジー
Keyword:
シロイヌナズナ
,
真核微細緑藻 Ostreococcus tauri
,
数理モデル
,
システムバイオロジー
pp.1277-1281
発行日 2011年10月22日
Published Date 2011/10/22
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
概日リズムは植物で最初に発見された.その後,1991年に端を発した植物の概日時計に関する分子遺伝学的な研究によって,植物の概日時計を構成する複雑な遺伝子制御ネットワークが明らかになった.さらに,2005年以降のシステムバイオロジー的アプローチでは植物の概日リズムの制御機構を理解するために数理モデルが導入された.2011年になると転写を伴わない計時機構が再発見され,概日時計が転写制御に基づくというパラダイムに疑問符がつけられた.最近のデータによると転写を伴わない,「非転写時計」がすべての真核生物に共通する先祖伝来の時計であり,転写を伴う時計回路はごく最近進化したと考えられる.
Copyright © 2018, Gakken Medical Shujunsha Co., Ltd. All rights reserved.