特集 現代医学・生物学の仮説・学説2008
1.細胞生物学
細胞内カルシウム制御
御子柴 克彦
1
Katsuhiko Mikoshiba
1
1理化学研究所脳科学総合センター神経発達障害研究グループ発生神経生物研究チーム
pp.368-369
発行日 2008年10月15日
Published Date 2008/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100518
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細胞外からの刺激を受容した受容体がGタンパク質とカップルしており,ホスホリパーゼ(PLC)を活性化して膜のイノシトールリン脂質であるホスファチジルイノシトール2リン酸を水解してDAD(ジアシル・グリセロール)とIP3(イノシトール3.4.5トリスホスフェート)を放出する。このIP3がIP3受容体に働き,Ca2+を放出する。その意味でIP3受容体は細胞外からの刺激と強くリンクしている。IP3受容体は313KDaと巨大な分子である。最近,IP3受容体の生化学的,分子生物学的,生物物理学的解析が進むことにより,IP3受容体の性質が明解となってきた。
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